Webサイトを運営する上で、検索ユーザーがどのような言葉で情報を探しているのかを把握することは極めて重要です。
Googleキーワードプランナーは、広告運用のためのツールでありながら、SEO戦略を立てる際にも欠かせない強力なパートナーとなります。
特に「新しいキーワードを見つける」機能は、自社では思いつかなかった潜在的なニーズを発掘するために最適です。
この記事では、この機能を最大限に活用し、効果的なキーワード選定を行うための具体的な手法を詳しく解説します。
「新しいキーワードを見つける」機能の基本概要
Googleキーワードプランナーにおける「新しいキーワードを見つける」は、特定の単語やURLをヒントに関連語句を抽出する機能です。
この機能を利用することで、メインとなるキーワードに関連する周辺語彙を網羅的にリストアップできます。
ユーザーの検索意図が多様化する現代において、単一のキーワードだけでなく関連語を把握することは必須の作業と言えます。
この機能には大きく分けて「キーワードから開始」と「ウェブサイトから開始」の2つのアプローチが存在します。
キーワードから開始する方法
「キーワードから開始」では、最大10個までのシードキーワードを入力して関連語を検索します。
自身のビジネスやサイトのテーマに直結する単語を入力することで、Googleのアルゴリズムが関連性が高いと判断した語句が提案されます。
例えば「カフェ」と入力すれば、「おしゃれ」「ランチ」「電源あり」といった具体的なニーズを反映したキーワードが表示されます。
この方法は、特定のトピックを深掘りしたい場合に非常に有効です。
ウェブサイトから開始する方法
「ウェブサイトから開始」では、特定のURLを入力することで、そのページの内容に関連するキーワードを抽出します。
自社サイトのURLを入力して、意図した通りのキーワードが抽出されるかを確認する使い道があります。
また、競合サイトのURLを入力することで、競合がどのようなキーワードで評価されているかを分析することも可能です。
特定のページだけでなく、ドメイン全体を対象にしてキーワードを抽出することも選択できます。
効果的なキーワード抽出のための初期設定
正確なデータを取得するためには、検索を行う前のフィルタリング設定が重要です。
デフォルトの設定では対象範囲が広すぎる場合があるため、自身のターゲットに合わせて調整を行う必要があります。
地域と言語の設定
ターゲットとするユーザーが居住している地域を正確に設定してください。
日本国内向けのサービスであれば、地域を「日本」に設定し、言語を「日本語」にします。
地域を限定したビジネスを展開している場合は、都道府県や市区町村単位で絞り込むことも可能です。
地域設定が適切でないと、検索ボリュームの数値が実態と大きく乖離してしまうため注意が必要です。
検索ネットワークの選択
デフォルトでは「Google」が選択されていますが、「Googleと検索パートナー」を選択することもできます。
SEO目的で利用する場合は、純粋なGoogle検索のデータを参考にするため「Google」のみに設定するのが一般的です。
広告運用のシミュレーションを行う場合は、検索パートナーを含めた数値を参考にすると良いでしょう。
抽出されたキーワードデータの読み解き方
キーワード候補が表示されたら、それらの指標を正しく理解し、優先順位をつける必要があります。
ツール上に表示される各項目には、SEOや広告戦略に役立つ重要なヒントが隠されています。
| 項目名 | 意味と活用方法 |
|---|---|
| 月間平均検索ボリューム | そのキーワードが1ヶ月間に検索される回数の目安です。 |
| 競合性 | 広告枠に対する競合の多さを示しますが、SEOの難易度指標としても参考になります。 |
| ページ上部に掲載された広告の入札単価 | 収益性が高いキーワードほど、この単価が高くなる傾向があります。 |
| 前年比の推移 | キーワードの需要が拡大しているか、減少しているかを判断できます。 |
検索ボリュームの重要性
検索ボリュームは、そのキーワードにどれだけの市場性があるかを示す指標です。
ボリュームが極端に少ないキーワードは、上位表示されても集客に繋がりにくいという特徴があります。
一方で、ボリュームが大きすぎるキーワードは競合が激しく、上位表示までに多大な時間を要します。
まずは月間100〜1000程度の「ミドルキーワード」や「ロングテールキーワード」をターゲットにすることをおすすめします。
競合性と入札単価から見る価値
競合性が「高」となっているキーワードは、多くの企業が広告を出稿していることを意味します。
これは、そのキーワードがコンバージョン(成約)に近い価値ある語句であることを示唆しています。
入札単価が高いキーワードも同様に、高い投資対効果が期待できる「売れるキーワード」である可能性が高いです。
SEOで狙う際も、これらの指標を参考にすることで収益性の高いコンテンツ作成が可能になります。
「新しいキーワードを見つける」機能を使いこなす応用テクニック
基本操作に慣れたら、より高度な方法でキーワードを選定してみましょう。
効率的に優良なキーワードを見つけ出すためには、ツールの機能を組み合わせることがポイントです。
ドメイン全体ではなく「特定のページ」を分析する
「ウェブサイトから開始」を使う際、あえて競合サイトの「特定の記事ページ」のURLを入力してみてください。
これにより、その記事が具体的にどのようなキーワードの集合体として構成されているかが明確になります。
自社で同様のテーマの記事を書く際、網羅すべきキーワードのリストとして活用できます。
キーワードフィルタの活用
抽出された膨大なリストから、条件に合うものだけを絞り込むことができます。
「特定の単語を含む」「特定の単語を除外する」といったフィルタリングを積極的に活用しましょう。
例えば、「無料」という言葉を含む検索を除外することで、購買意欲の高いユーザー向けのキーワードに絞り込めます。
また、検索ボリュームの下限を設定することで、一定以上の流入が見込めるキーワードのみを抽出できます。
ブランド名の除外設定
特定の企業名やサービス名が含まれるキーワードは、自社サイトへの誘導が難しい場合があります。
設定画面から「ブランド名を除外」を選択することで、一般的な名詞での検索語句を効率よく探せます。
これにより、純粋なユーザーの悩みや疑問に基づいたキーワードを見つけやすくなります。
ターゲット選定を成功させるための4つのステップ
キーワードを抽出した後は、それらを実際のコンテンツ制作にどう活かすかが重要です。
以下のステップに沿って、戦略的なキーワード選定を進めてください。
ステップ1:メインキーワードの決定
まずはサイトの柱となるメインキーワードを選定します。
これは「新しいキーワードを見つける」に入力する際のシードキーワードになります。
ビジネスの核となるサービス名や、ターゲットが抱える最も大きな悩みを設定してください。
ステップ2:関連キーワードの網羅的抽出
「新しいキーワードを見つける」機能を使い、関連するキーワードをできるだけ多く書き出します。
この段階では絞り込みすぎず、ユーザーが検索しそうなバリエーションをすべて把握することに集中してください。
CSVやGoogleスプレッドシートにエクスポートしておくと、後の作業がスムーズになります。
ステップ3:検索意図によるグルーピング
抽出したキーワードを、ユーザーの目的(検索意図)ごとに分類します。
「知りたい(Know)」「行きたい(Go)」「やりたい(Do)」「買いたい(Buy)」の4つの意図に分けるのが一般的です。
同じような悩みを持つキーワードをグループ化することで、1つの記事で狙うべき範囲が明確になります。
ステップ4:優先順位付けとコンテンツ化
ボリューム、難易度、収益性のバランスを見て、制作するコンテンツの優先順位を決めます。
成約に近いキーワードや、競合が手薄なロングテールキーワードから着手するのが定石です。
計画的に記事を作成していくことで、サイト全体の評価(ドメインパワー)の向上にも繋がります。
キーワードプランナー利用時の注意点
非常に便利なツールですが、利用にあたって知っておくべき制限事項もあります。
これらを理解していないと、データの解釈を誤る可能性があるため注意してください。
正確なボリューム表示には広告運用が必要
Google広告に一定額以上の出稿をしていない場合、検索ボリュームが「100〜1000」といった大まかな範囲でしか表示されません。
詳細な数値を確認したい場合は、少額でも実際に広告を運用する必要があります。
ただし、SEOのキーワード選定であれば、おおよその傾向を把握するだけでも十分役立ちます。
データの反映にはタイムラグがある
キーワードプランナーに表示される数値は過去の統計データに基づいています。
今まさにトレンドとなっている急上昇ワードについては、リアルタイムで反映されないことがあります。
最新の流行を追う場合は、Googleトレンドなどのツールを併用することをおすすめします。
あくまで「広告向け」のデータであること
「競合性」の指標は、あくまでGoogle広告の枠を争う競合の多さを示しています。
「広告の競合が低い=SEOの難易度が低い」とは限らない点に注意が必要です。
SEO難易度を測定する際は、実際に検索結果を見て、上位にランクインしているサイトの強さを確認する「目視確認」が不可欠です。
サイト運営に役立つ周辺ツールとの組み合わせ
キーワードプランナー単体でも強力ですが、他のツールと組み合わせることでさらに分析の精度が高まります。
より多角的な視点でユーザーニーズを捉えるために、以下のツールの活用も検討してください。
Googleサーチコンソールとの連携
サーチコンソールでは、自分のサイトが「実際にどのようなキーワードで表示されているか」を確認できます。
キーワードプランナーで見つけた「これから狙いたいキーワード」と、サーチコンソールの「現状のキーワード」を比較しましょう。
表示回数は多いもののクリック率が低いキーワードは、コンテンツの改善で大きく流入を伸ばせるチャンスがあります。
ラッコキーワード等のサジェストツール
より多くの関連キーワードを網羅したい場合は、ラッコキーワードなどのサジェスト抽出ツールが便利です。
そこで取得したキーワードリストをキーワードプランナーに読み込ませ、検索ボリュームを一括で確認する使い方が効率的です。
「ユーザーの具体的な悩み(サジェスト)」と「市場の大きさ(ボリューム)」を掛け合わせることが成功の近道です。
まとめ
キーワードプランナーの「新しいキーワードを見つける」機能は、Webサイト運営におけるコンパスのような存在です。
自分の想像の範囲外にあるユーザーニーズをデータとして可視化してくれるため、根拠に基づいたサイト運営が可能になります。
「キーワードから開始」してトピックを広げ、「ウェブサイトから開始」して競合や自社の現状を分析する。
この2つのアプローチを使い分けることで、コンテンツの質と量は飛躍的に向上するはずです。
検索ボリュームや競合性を冷静に分析し、ユーザーの検索意図に真摯に応えるコンテンツを積み重ねていきましょう。
地道なキーワード選定こそが、検索結果の上位を勝ち取り、持続的な集客を実現するための唯一の王道です。
まずは気になるキーワードを1つ入力することから、あなたのサイトの新しい可能性を探ってみてください。
