WordPressでブログやニュースサイトを運営している際、トップページやアーカイブページに記事が並ぶとき、内容がすべて表示されてしまい困ったことはないでしょうか。

記事が長いと、ユーザーは他の記事を見つけるために延々とスクロールを繰り返さなければなりません。

このような問題を解決するために欠かせないのが、「続きを読む」タグ(moreタグ)という機能です。

このタグを適切に配置することで、記事の一覧画面では冒頭部分のみを表示し、読者をスムーズに個別ページへと誘導することが可能になります。

本記事では、WordPress初心者の方からカスタマイズを行いたい中級者の方に向けて、「続きを読む」タグの基本的な使い方から、うまく表示されない原因、さらにはカスタマイズ方法まで詳しく解説します。

WordPressの「続きを読む」タグとは?

WordPressの「続きを読む」タグとは、記事の任意の場所に挿入することで、その位置以降の内容をアーカイブページ(記事一覧ページ)で非表示にするための仕切りです。

このタグを挿入した箇所には、通常「続きを読む」や「Read More」といったリンクが表示されます。

このリンクをクリックすることで、読者は記事の全文が掲載されている個別投稿ページへ移動します。

Webサイトの回遊性を高め、ユーザーが求める情報に素早くアクセスできる環境を整えるために非常に重要な役割を果たします。

特に記事数が多いサイトや、1記事あたりの文字数が多いサイトでは、このタグの活用が必須といえます。

また、このタグはあくまで「一覧ページでの表示」を制御するものであり、検索エンジンがインデックスする内容や、個別ページの見え方には影響を与えません。

「続きを読む」タグの挿入方法

WordPressでは、使用しているエディタの種類によって「続きを読む」タグの挿入方法が異なります。

現在はブロックエディタ(Gutenberg)が主流ですが、古い記事を編集する場合やプラグインを使用している場合はクラシックエディタを使用していることもあるでしょう。

それぞれの環境での手順を解説します。

ブロックエディタ(Gutenberg)での操作

最新のブロックエディタでは、「続き」ブロックという名称でこの機能が提供されています。

まず、記事の中で文章を区切りたい位置にカーソルを合わせ、ブロック追加ボタン(+)をクリックします。

検索窓に「続き」と入力するか、レイアウト要素の中から「続き」ブロックを選択してください。

挿入されると、エディタ上に「続きを読む」というラベルが付いた点線が表示されます。

この点線よりも上の内容が一覧ページに表示され、下の内容は非表示になります。

非常に直感的な操作で、HTMLの知識がなくても簡単に設定が可能です。

クラシックエディタでの操作

プラグイン等でクラシックエディタを使用している場合も、ツールバーから簡単に挿入できます。

挿入したい位置をクリックし、ツールバーにある「『続きを読む』タグを挿入」ボタンをクリックしてください。

このボタンは、長方形が上下に分かれたようなアイコンをしています。

テキストモードで編集している場合は、<!--more-->というコードが直接挿入されます。

これが「続きを読む」を制御するシステム上の目印となります。

「続きを読む」タグが表示されない時の原因と解決策

「続きを読む」タグを正しく挿入したはずなのに、実際のサイト画面で反映されないというケースがよくあります。

このトラブルにはいくつかの典型的な原因がありますので、順番に確認していきましょう。

the_content()とthe_excerpt()の違い

最も多い原因は、WordPressテーマのテンプレートファイルで使用されている関数です。

WordPressには、記事を表示するための関数としてthe_content()the_excerpt()の2種類があります。

the_content()は記事の全文を表示する関数であり、この関数が使われている場合にのみ「続きを読む」タグが有効になります。

一方で、the_excerpt()は記事の「抜粋」を自動的に生成して表示する関数です。

the_excerpt()が使われている場合、エディタで挿入した「続きを読む」タグは完全に無視されます。

もしタグが効かない場合は、お使いのテーマが「抜粋表示」を採用していないか確認してください。

投稿の個別ページでは機能しない仕様

初心者の方が陥りやすい勘違いとして、記事の個別ページ(シングルページ)でも内容が隠れると思ってしまうことがあります。

しかし、「続きを読む」タグの本来の目的は「一覧ページでの整理」です。

そのため、その記事自体のURLにアクセスした際には、タグの有無に関わらず全文が表示されます。

もし個別ページ内でもページを分割したい場合は、「ページ区切り(Nextpage)」ブロックを使用する必要があります。

テーマの独自設定やカスタマイズの干渉

高機能なWordPressテーマを使用している場合、テーマ側の独自設定で「全文表示」か「抜粋表示」を選択できることがあります。

管理画面の「外観」>「カスタマイズ」などの項目に、アーカイブページの表示形式に関する設定がないかチェックしましょう。

また、古いプラグインなどが記事の出力処理を上書きして、タグの動作を妨げている可能性も考えられます。

「続きを読む」のテキストをカスタマイズする方法

標準の「続きを読む」というテキストを、「もっと読む」や「詳細を見る」といった独自のフレーズに変更したい場合があるでしょう。

ブロックエディタを使用している場合、挿入した「続き」ブロックをクリックすると、エディタ上で直接テキストを編集することが可能です。

これにより、記事ごとに最適な呼びかけのフレーズを設定できます。

サイト全体で一括して変更したい場合は、テーマのfunctions.phpに以下のコードを追加する方法が一般的です。

PHP
/**
 * 続きを読むリンクのテキストをカスタマイズする
 */
add_filter( 'the_content_more_link', 'custom_read_more_link' );
function custom_read_more_link() {
    return '<a class="more-link" href="' . get_permalink() . '">【続きをチェックする】</a>';
}

上記のコードを適用すると、すべての「続きを読む」リンクが「【続きをチェックする】」というテキストに置き換わります。

クラス名を追加してCSSでボタン風のデザインに装飾することも容易になります。

「続きを読む」タグを使用するメリット

この機能を活用することには、単なる見た目の整理以上のメリットがあります。

代表的なメリットを以下の表にまとめました。

メリットの項目具体的な効果
ユーザービリティの向上一覧性が高まり、読者が目的の記事を素早く見つけられるようになります。
ページ読み込み速度の改善記事の全文を読み込まないため、アーカイブページのデータ量が削減され、表示が高速化します。
PV(ページビュー)の増加個別ページへのクリックを促すことで、サイト内の回遊率が高まります。
重複コンテンツの回避一覧ページと個別ページの内容が完全に重複することを防ぎ、SEO上のリスクを低減します。

特にスマートフォンユーザーにとって、縦に長いページは操作性の低下を招きます。

「続きを読む」タグで情報を適切に遮断し、興味を持った読者だけを個別ページへ誘導する動線設計が不可欠です。

「続きを読む」タグを活用する際の注意点

便利な「続きを読む」タグですが、使い方を誤ると逆効果になる場合もあります。

まず、タグを挿入する位置に注意しましょう。

あまりにも冒頭すぎる位置に挿入すると、読者はその記事が自分にとって有益かどうかを判断できません。

逆に、長すぎる位置に挿入すると、タグを設けている意味が薄れてしまいます。

一般的には、最初の見出し(H2タグ)の直前や、導入文が終わったタイミングで挿入するのが最も効果的です。

また、RSSフィードの設定にも影響を与えることがあります。

WordPressの「設定」>「表示設定」で、フィード内での表示を「抜粋」にしている場合、このタグとは別にシステム側でカットされることがあります。

まとめ

WordPressの「続きを読む」タグは、サイトの利便性を向上させ、読者に快適な閲覧体験を提供するためのシンプルかつ強力なツールです。

ブロックエディタを使えば数クリックで設定でき、表示されないトラブルもテーマの仕様を理解することで解決可能です。

「続きを読む」リンクのテキストを工夫したり、適切な位置に配置したりすることで、サイトのクリック率や滞在時間にもポジティブな影響を与えるでしょう。

まずは自分のサイトの記事一覧を確認し、読者がストレスなく記事を探せているかを見直してみてください。

もし全文が表示されてしまっている場合は、今回紹介した手順で「続き」ブロックを導入し、スマートなサイト運営を目指しましょう。